G.17.2.8 アドバンスド非線形ケーブル解析
ケーブルメンバー以外のすべてのメンバー、要素、およびサポートスプリングが線形である場合、この解析タイプが使用されます。
ステップ数、ステップあたりの最大繰り返し回数、収束許容差、Kgマトリックスの使用/除外を制御し、完全または修正ニュートンラプソン法を使用できます。
非線形静的ソルバーは、ニュートン法(完全ニュートン法または修正ニュートン法)を使用して非線形問題を解析します。STAAD.Proでは、ビーム/コラムおよびプレートのケーブル要素とP-デルタ効果により、幾何学的非線形性が発生します。
完全ニュートン法による非線形静的ソルバーの数値表現
解析に含まれるステップ
非線形静解析にはいくつかのステップがあります。
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最終的に適用された荷重ベクトル{Pext}が作成されます。増分荷重ベクトル{P} = {Pext}/nStepsが計算されます(nStepsは荷重ステップ数)。{uprev}= {0}も定義されます
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最初の反復では、不平衡荷重{ΔP}={P}と変位ベクトル{u}={uprev}、剛性マトリックス[K]が作成されます。要素が非線形に実行されている場合、それらの要素剛性マトリックスは、現在の非線形ステータスに基づいて決定されます。
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式[K]{Δu} ={ΔP}を解いて、増分変位{Δu}を求めます。
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現在の変位ベクトルは、{u} ={u}+{Δu}として計算されます。
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この新しく計算された{u}は、すべての要素の節点座標を更新するために使用されます。
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更新された要素に基づいて、要素反力{R}が計算されます。
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これで、不均衡荷重は{ΔP}={P}-{R}になります。
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収束は|{ΔP}|/{P}をεと比較することによってチェックされます。収束が得られた場合、現在の変位は前の反復の変位、つまり、{uprev} = {u}として保存されます。次の荷重増分が適用され、同じステップがすべて繰り返されます。
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収束が得られない場合は、収束が得られるか、最大反復回数に達するまで、ステップ2~7が繰り返されます。
ケーブル要素の理論
3Dケーブルのスケッチ
ケーブル要素の定式化は、カテナリ理論に従います。これは、幾何学的非線形性を持つ非線形要素ですが、材料の非線形性はありません。図2に示す3Dケーブル要素の場合、フリーボディの平衡は次のようになります。
(1a) |
(1b) |
(1c) |
幾何学的拘束式と構成式を使用すると、弦長構成要素lx、ly、lzと端部支持力構成要素F1、F2、F3の関係は次のように導出することができます。
(2a) |
(2b) |
(2c) |
したがって、式(2)の微分式は、式(3)に示すように、たわみ性マトリックスです。簡潔にするために、式の項は表示していません。
(3) |
たわみ性マトリックスの逆数が剛性マトリックスです。つまり、変形-力関係と剛性マトリックスが求められます。したがって、非線形数式は有限要素解析ソルバーを使用して解くことができます。
非線形静解ソルバーのステップリストで、ステップ4はケーブル要素に新しく更新された変位を提供します。また、ステップ2とステップ5は、数式(3)で計算できるケーブル要素の剛性マトリックスと反力を求めます。
ケーブル要素の制限
カテナリ理論を使用する場合の制限の1つは、ケーブル要素に不均一に分布した荷重、つまり要素内の点荷重をロードできないことです。ロードするためには、物理ケーブルを複数の解析ケーブル要素でモデル化して、各解析ケーブル要素への均一な荷重によって不均一な荷重を近似的にシミュレートできるようにし、点荷重が適用される位置にノードが存在する必要があります。
注記
非線形ケーブル解析における荷重ケースは、CHANGEコマンドとPERFORM CABLE ANALYSIS ADVANCEDコマンドによって分離する必要があります。主荷重ケースの総数を設定するには、SET NLコマンドを使用する必要があります。マルチリニアスプリング、圧縮のみ、PDelta、非線形、または動的なケースは使用できません。
ケーブルの場合:
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メンバーオフセットを使用しないでください。
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コントロール/依存コマンドまたは床ダイアフラムコマンドは含めないでください。
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傾斜サポートジョイントに接合しないでください。
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Y方向が上である必要があります。
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強制変位を使用しないでください。
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モデル内でサポートスプリングを使用しないでください。
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作用荷重の全体座標系における方向は、変位によって変化しません。
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プレストレス荷重、固定端荷重を加えないでください。
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ケーブル解析の結果を組み合わせるために、LOAD COMBINATIONコマンドを使用しないでください。その代わりにREPEAT LOADコマンドで主荷重ケースを使用してください。